今月の一言 2018年10月

 先日、奥多摩の山に登ってきました。今年の夏は異常な猛暑だったので、夏の間はすっかり山のことなど忘れていました。それが、少し涼しくなってきた途端、前日になって急に山登りに行こうという気になり、慌てて支度をしました。明日は午後から雨が降る予報でしたので、雨具や着替えもしっかり用意してザックに詰めました。

 その日は朝から天気が良く、上着も不要なほどの陽気でした。青梅線の御嶽駅の手前の軍畑(いくさばた)で下車し、高水山の登山道までは川沿いの道を少し歩きます。今日は珍しくトカゲが目の前に何度も現れます。トカゲならまだかわいいですが、大の苦手なヘビが出るのは困ります。しかし、予想していた通り、ヒノキの林を歩いていた時、枯れ枝だと思ったら、枝と同じ色をしたヘビが足元で動き出したのでびっくりしました。ヘビたちも頭上から命を狙ってくる猛禽類などから逃れるために、擬態をしているのでしょうか。しばらく足をとめて見入ってしまいました。

 高水山、岩茸石山、惣岳山は高水三山と呼ばれ、入門・初級・中級・上級の四段階では初級の山だそうです。いわゆるハイキングコースよりも所々急斜面もありますが、小学校の高学年の遠足にはちょうどよさそうです。それでも春山以来、体を動かすことをサボっていた私には意外にきつく、何回か小休止しながら登っていきました。頂上のすぐ下には、常福院という小さなお寺があり、お堂の裏から頂上はもう目の前です。

 いつものことですが、山に登る前と登っている時では、正反対の気持ちを持ってしまいます。「さあ、登るぞ!」という勇ましい決意が、「なぜ登っているのか?」という自問に変わってしまいます。「?」は九合目辺りまで続き、そこを過ぎた頃から何かが乗り移ったような力が出てきます。クライマーズハイと言ったら大袈裟ですが、さっきまでの疲労感がほとんどなくなり、気のせいか足が軽くなります。富士登山でも同じ経験をしていますが、これが山を下りるまで続くのですから不思議です。

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