今月の一言 2017年9月

 今年の夏は、天候が不順で、特に8月に入ってからは最悪でした。暑すぎても嫌ですが、やはり夏は天気が良くて暑くないと調子が狂ってしまいます。夏期講習で塾に通ったり勉強するには最高の気候だったかもしれませんが、海や山などの行楽地に出かけた人たちにとっては、災難と言うしかありません。いい歳の私たちでさえ、今年の夏は何となく不完全燃焼で終わってしまいそうですから、まして若い人たちにとっては火さえ着かない状態だったのではないでしょうか。

 8月の後半、星を見に長野県の阿智村のスキー場に行ってきました。年々減り続けるスキー人口への窮余の一策として、休業期である夏場に星を見るツアーを開いているのです。ゴンドラで1400mの山頂駅まで上がり、普段はスキーのゲレンデとなる緩やかなスロープにレジャーシートを敷き、そこに寝転がって星を観察したり、星座の説明を受けたりするナイトツアーです。確かに周りに何も光源のないスキー場なら、星を見るのには打ってつけの場所かもしれません。

 少し早めの夕食をとり、暗くなる前に場所取りをしてスタンバイ。続々と人が集まり、スロープが寝転ぶ人で埋まるという不思議な光景です。ゴンドラに乗る前はどんよりしていた空が、山頂駅で降りる頃にはすっかり雲がなくなり、今まで見たこともない星空への期待がおのずと沸き上がります。しかし、暗くなるにつれて、星が三つ位見えてきた頃から、だんだん黒い雲がかかってきて、とうとう雲の間に少しの間だけ見える星しか見えなくなってしまいました。数分おきに見える飛行機の点滅する灯り以外は、星らしい星はほとんど見えません。美しい星空を見て今年の夏を終わらせようと思いましたが、結局、ここでも不完全燃焼です。「晴れ男」の力は、夜には効力がないのかもしれません。

 40年以上前、同じ長野県の乗鞍高原で見た星空が忘れられません。毎晩宿を抜け出し、周りに灯り一つない道路に友達と寝転がって見た星は、信じられないほど美しいものでした。天の川や流れ星を初めて見たのもその時でした。高原の空気は澄んでいて肌寒く、昼間温められた道路のぬくもりが背中に伝わり、満天の星に包まれている感覚をいつかもう一度味わいたいと思います。

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